3D撮影について走り書き

人間は、左右の目の見え方の違いで立体感を得る。
同様に、立体映像も、2つのカメラを使って若干見え方の異なる2つの映像を撮影することによって作ることができる。
3D撮影にはリグ*1という機材が使われる。3D映像を制作するためには、ただ2台のカメラを並べれば良いというわけでなく、厳密に水平高さを合わせたり傾きを無くしたりする必要がある。2つのカメラ(レンズ)間の距離によって、距離感、立体感が変わってくるので、それも調節できる機能が重要となる。
また、1つのレンズで捕えた光をハーフミラーによって<直進>と<直角に曲がったもの>の2本の光に分けて、それぞれ撮像素子で受光し、2つの映像を作る方法もある。
上述したように人間は左右の目の見え方の違いで立体感を得るのだが、近い物の方がより立体感を感じ、遠いものはあまり立体感を感じない。遠くのものは左の目で見ても右の目で見ても、相対的に違いが少ないからだと思う。言い換えると、遠くの物を立体的に撮るためには2つのレンズ間距離が長い方が良いということになる。一方、人間の両目間の距離はおよそ65mmと言われているので、普段見えている世界と同じように自然な立体映像を撮影するには、それと近い距離で2つのカメラを設置すれば良いと考えられる。
しかし、実際に撮影用カメラをくっつけて置くと、どうしても80mm程度より近付けておくことができなかったりする。そのような場合、1つのレンズで捕えた光をミラーで分ける後者の方法が有利である。
従って、2台のカメラを並べる『サイドバイサイド方式』は遠距離撮影に、ミラーで1本の光を分ける『ビームスプリッター方式』は近距離撮影用に、比較的向いていると言える。1台でどちらの構成も可能なリグも存在する。

*1:もともとrigとは英語で「油井の掘削装置、帆装、トレーラー、装置;装備, 道具, 用具」といった意味がある。