あらためて『未来へススメ!』を聴いた

和のコンセプトを踏襲した雅やかなイントロに続くリズム隊の強力なアタックで一気にボルテージが上がる。
粘り強いベースと、冒頭からポジティブな歌詞によって、ぐんぐん前へ進んで行くんだというメッセージが早くも伝わってくる。初めてももいろクローバーを見た時に、一番印象に残った振付は、この曲の「光の矢を放て」という部分。曲も知らなかったし、ももクロちゃんについての予備知識も全然なかったのだけど、その時、僕の目には光の矢が見えた。この曲にはそういう魂が込もっているのだろうし、ももクロちゃんにはそれを表現する力があるのだと思う。そんなことに思いを馳せていると、小気味良いギターのカッティングやらほんわりオーバードライブで心地よいフィルインやらに導かれてしおりんのソロパートが現れる。個人的にはここで一つの極大値に達するのだが、そうこうしているうちに、右肩上がりのメロディラインで曲はサビに突入する。
満を持して披露される全員ユニゾンの無敵感。これほどまでに無敵感を表現できるグループが他にあろうか、いやない。ライブの時は、アタママッシロ状態で盛り上がってしまうし、サビ後半の指差しの部分では全力でステージに集中してしまうので、なかなか耳に入っては来ないのだけど、ゴキゲンなシンセサイザーの合いの手も忘れてはならない。明るく楽しい楽曲の雰囲気を形成するのに大きな役割を持っていると思う。これはブラス風の音色だからいつか機会があったら、本物のブラスを入れて生演奏してほしいと思う。全体的にキャッチーな音色で作られた伴奏だけど、さっき触れたベース、カッティングギターやオーバードライブのギターもエッジの効いた感じにして、それから後で出てくる和楽器なんかも全部生楽器にして本格的に演奏したら相当グルーヴィなものになるんじゃないかと思う。
蛇足なんだけど、間奏の三味線ぽい音とツインギターみたいな所は、プレイヤー3人がネックをステージに向けてだせーパフォーマンスをしてる妄想をして僕は楽しんでいる。実際に生演奏でやる機会があったらやってほしい。それをももクロちゃんたちが煽って盛り上げてほしい。それからここの部分は笛っぽい音も聞こえて、いろんな楽器の音が入ってておもしろい曲だなぁと思う。
最後に、僕がこの曲を好きな一番大きな理由は、ももクロちゃんがツアーを通してこの曲の魂を体現したこと。歌詞に書かれた言葉を一字一句残さず、行間も含めて、ももクロちゃんは実感し、表現し、ファンや周囲の人間に伝えることができたと思う。本当に素敵なグループだと思うし、ジャイアントシリーズをずっと追っかけて応援することができた僕は幸せだ。
次の新曲が待ち遠しい。